ダッ.

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六月大歌舞伎初日 第一部『御摂勧進帳』『夕顔棚』第二部『桜姫東文章 下の巻』 観劇メモ

2021年6月3日(木)

歌舞伎座の六月大歌舞伎初日の

第一部『御摂勧進帳』『夕顔棚』

第二部『桜姫東文章 下の巻』を観劇。

 

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www.kabuki-bito.jp

第一部は実質2列目の中央のお席。

こんないい席久しぶり。長らく三千円と五千円の席で楽しんでたけど

予約ががら空きだったので久しぶりに前にしてみた。

 

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劇場ついてまさかとは思ったけどチケット予約したときと変わらないぐらい

人がいない!!こんなに人がいない劇場はじめてみた。(笑)
まあ普通に考えて平日の11時から観劇なんてどこのニートだよってという

時間帯ではあるが、かなりの衝撃。

 

『御摂勧進帳加賀国安宅の関の場)

4月に白鷗&幸四郎さんの両バージョン見た『勧進帳』よりも早くに成立された

作品のようで、ストーリーも各キャラクターの見た目・中身ともにかなり違いがある。

豪快で古風な江戸荒事といわれるものらしい。


<キャスト>

武蔵坊弁慶  芝翫

富樫左衛門  鴈次郎

源義経    雀右衛門

斎藤次祐家  亀鶴

新圧鈍藤太  松江

出羽運藤太  吉之丞 など

 

<感想>
斎藤次祐家(亀鶴さん)の台詞大忘れが大打撃だったけど、江戸荒事な豪快な弁慶を演じる芝翫さんが素晴らしく楽しかった。『勧進帳』との比較で各キャラの違いも面白かったけど、番卒たちの首がたくさん入った大きな桶に仁王立ちしてかき混ぜるラストは迫力もあり「来てよかった!」となる。

 

<斎藤次祐家(亀鶴さん)>

今回盛大にやらかした亀鶴さんについては、しっかり記録しておこうと思う。

こうゆうことは書かないほうがいいと思う気持ちもあるけど、1万5000円のチケットを払ったからには書いておきたい!

 

中村亀鶴さんが演じられたのは、関守の斎藤次祐家。

情け深く義経一行と察しながら、弁慶らの通過を許可する富樫とは正反対に

弁慶らを頑なに捕まえようとする役。(全く端役ではない。)

 

まず異変第一が、花道登場からの開口。

舞台中央の関守の松江さんか吉之丞さんどちらかと、思いっきり声がぶつかって

「あ、やべえ」という表情で黙る。一瞬「?」な空気が流れるも、まあこうゆうことも起こりうるよねという許容範囲のレベル。

その後もなんか怪しい雰囲気が出てたけど、まあ置いておいて、、。

 

大事件は割と重要なシーンかつ、弁慶よりも目立つステージ中央で勃発。

富樫と並んだ位置で、弁慶らは絶対義経一行だから捕まえなければならん!という

やり取りが行われるシーン。

亀鶴さんはなんと退場までのほとんど全ての台詞を忘れてしまっていた。

 

地に足がついてなくて浮遊している雰囲気が出ていてたが、そういうことだった。

 

そんな台詞忘れ亀鶴さんを救済すべく上下の袖から台詞を教える声が飛んできていた。

亀鶴さんは平均的にそれを復唱するか、0.5~1秒遅れで被せて台詞を発していた。

再現するとこんな感じ。

 

他の役→謎の沈黙→袖から台詞の声→亀鶴さん発声→他の役→謎の沈黙→袖から台詞の声→亀鶴さん発声の繰り返し。

 

一文忘れとかではなくてすべてのなので、会話というか、劇というか、全ての流れが

いちいち停止する状態。

 

袖から台詞が投げ込まれる時点で気になってしまうのに、ミスの訂正も豪快に下手で

目も当てられない。いや実質2列目で、目の当てどころがなく、目の前で停止する芝翫弁慶を見るのも気が引けるので私は亀鶴ウオッチングをするほかなかった。

 

せめてうまいことカバーできないだろうかと見守るも

毎回「やばい」というのが表情に出ていて、動きともかみ合っていない。

この時間いつまで続くんだろうと思っていたら、最後まで台詞補助を受けた後

盛大にハケて行った。

 

なんだろう。

大事なストーリーが全く持って入ってこなかった。罪深いぞ!

 

原因が気になりますね!もしかしたら、亀鶴さんが重大な病気だったり、体調や脳に関する不調があるのかもしれない。または、十分な稽古時間がなかった。など

台詞補助隊がいたということは、ゲネプロの時点でもう覚えられておらず厳しそうだからこうゆうシステムにしたのか、、。

 

仮に稽古でできていて今日限定の話だったらしょうがないけど、

今日の時点で覚えていないのなら、台本を持つまたは、口パクで袖の人に読んでもらうの方が作品全体を破壊せずに済むと思う。

 

歌舞伎見始めて一年なんだけど、こうゆう台詞援助はよくあるものなのだろうか。

でも、なんの事情も知らない人は「台詞を覚えていない演技が出来な人」としか受け取れないし、お金をもらって見せるレベルのものではないと感じた。

 

<その他メモ>

義経雀右衛門さん4月に引き続き美しい。

 衣装がとってもかわいい。紫と白と金。

・弁慶にやられる番卒の人たちにアクロバティックな動きがすごい!

・江戸荒事な芝翫弁慶の豪快さは見もの

・亀鶴さんハケ後は芝翫さんのお陰で「うお~!!」という圧巻のもと心から拍手できた。

・首で玉入れ、すごく面白い。(笑)

・昨年より取り入れられているコロナネタ、どの作品でも割と芸がなく飽きてきた感じがある。

 

 

 

『夕顔棚』

旧盆の暮れに老夫婦が夕涼みを楽しむお話。

 

<キャスト>
婆  菊五郎

爺  左團次

里の男  巳之助

里の女  米吉   など

 

<感想>

さいこう!さいこう!この作品が最高だったから、一部観に来た甲斐があった。

救われた~!!

左團次さん登場から完璧だし、お風呂上がりの登場をキメた菊五郎さんのお婆さんが破壊的に素晴らしかったwwwwwww

 

なんだろ色々完璧で、もはやユートピアだった。

夫婦の距離感とか、お互いを大切に思っているというのが根幹にあったうえでの

罵倒とか、理想の夫婦像!!とてもゆったりとした心地の良い時間の流が最高でした。

 

盆踊りの音で若いころを思い出して踊りだす二人。

菊五郎さんの婆さんが格別だった。

確かに体は若いころを思い出しているのに、顔は割と死にそうな表情していて

何とも言えない面白さ。「さいこう!!」が私の胸に溢れた。

 

里の男 巳之助さん、里の女 米吉さんのお二人も素敵だった。

米吉さんは可愛らしい女の子といった感じでずっと見ていられる。

 

目の前で遮るものなくこの愛らしい夫婦を観れたことは一生の思い出になるなあ。

幕切れまで表情をしっかり味わえたのは、この席にして正解だった。

 

 

第一部迷っている方いたら、チケットあまりまくっているので是非素敵な老夫婦を

見届けに行ってみてください。

 

 

第二部『桜姫東文章 下の巻』

 

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<キャスト>

桜姫  玉三郎

清玄  仁左衛門

長浦  吉弥

残月  歌六

お十  孝太郎

奴軍助 福之助

吉田松若 千之助

判人勘六 橘三郎 など

 

<感想>

ぎゃ~!ついに来たこの日!!

4月に上の巻を観てから強烈に楽しみにしていた。

ぎりぎり取れたお席は2階の端。オペラグラスで表情確認!!

 

玉三郎さん美しすぎるううう。

 

今回は上の巻のストーリの振り返りからスタート。

ステージ中央に出される4月公演の写真?に再びうっとり。

この説明を担当した役者さんの名前を存じ上げないけど、

作品の世界への導入となる続く素敵な語りでした。

 

感想

 

大まかなあらすじを見るとてっきり悲しい物語や、悲壮的で、運命の気まぐれさみたいなことを描いていそうなのに、ぶっちぎりで面白い!

 

え?そんな物事の通し方ある?とびっくりするような奇抜な展開・設定がちらほら。

しかもそんな大ボケに対してツッコミもなく進んでいくので、かなりの爆笑もの。

鶴屋南北すさまじい!!

 

歌舞伎のことまだまだ知らないけど、こんな面白い話を書く人が200年くらい前の日本にいたなんて。

 

細かい物語の色々は置いておいて、

今回も玉三郎さんの美しさに見惚れて物理的にも視野がかなり狭くなってしまった。

 

上の巻での玉三郎さんは、まだ右も左も分からないといった少女で

そのあどけなさがもうもう可愛くて、可愛くて。

思わずたくさんプロマイド購入したけど、清玄に連れられて手を預けてるときの

白菊丸の表情、そしてポスターにもなっているあのシーン!!

表情もしぐさも目つきもすべてが完璧だった4月。

 

そんな桜姫とは打って変わて下の巻では、姫らしさも残しつつ大人になった桜姫。

少しツンとしたところが最高に可愛い!!ツン、ツン!(語彙力)

観賞中の私の脳内「可愛い!美しい!!可愛い!美!圧倒的美!!大!優!勝!!」

 

・・・。

 

冷静に私は71歳の方になんて言葉を投げかけているのだろうか。

ちなみに私の祖母が73歳。

玉三郎さんは実質おじいちゃん。数字だけ見たらリアルおじいちゃん。

 

で!何あの美しさ!あどけなさ!え?え?

どうゆうこと!??

 

あまりの美しさ、すばらしさにコンタクトが盛大に乾燥。

 

ツンと強い女性な一面も見せる玉三郎さんに、うっとりしつつ

4月のあどけない!!のももう一回、いやせめてあと150回だけでいいから

見たいという熱い気持ちが大洪水。

 

もうね、視線の動き。

目が流れる、あの動き!!ぎゃーーーー!!(うるさい)

 

再び口説きにかかる仁左衛門権助の男気溢れる色気もすさまじいですね

77歳って年齢詐称ですか?

 

桜姫を狙う残月にうちら夫婦だからと

おそろいの入れ墨を見せる時の仁左衛門さんのかっこよさといったらもう、、、

玉三郎さんの白い腕をひっぱて見せる時の、

仁左衛門さんと玉三郎さんの構図の美しさも凄まじい。

どこの絵画ですか?と「?」がいっぱいになる完璧な美しい構図に目が釘付け。

それとは反対側に目を流す玉三郎さん!美!美!美!

 

泣いて寝付かない赤ちゃんを刀であやそうとする玉三郎桜姫の破壊力(笑)

本当に自由自在にそしてどんな動きにも演技としての説得力があって素晴らしい。

 

 

仁左衛門さんの早着替えも含めて見どころ尽くしの贅沢な作品。

ユーモアとおかしみに富んでいて、もうこの上ない極上の幸せ・・・。

 

4月に一枚しかとらなかった反省で今回はチケ戦争頑張って1等席を2枚確保。

次回は来週。次はもっと全体もみてこようと思う。そして、玉三郎さんと仁左衛門さんのすべてを目に焼き付けるううう。

 

あとここだけの話、今回なんと発売直後に売り切れたはずの第二部桜姫。

松竹のオンラインを監視していると昨日今日で6回ぐらいチケットが出戻っているを

発見した(爆風)

 

基本なぜか「〇」になってて、座席選択をおすと実際開いている席はなく、また「×」になるという超常現象だったのがついさっき、6月4日22:30 三等席に一席空きができ

三枚目のチケットゲット!!

なんだこの現象は!?

 

キャンセルなのか?

松竹はチケトレという公式リセールシステムを導入しているけど、そのサイトは

出品者との売買だから、公式の方に席が戻ることは無いと思うのだけど・・。

 

理由は分からないけど、とりあえずそんな超常現象が完売にしては

高頻度で起こっているので、まだ狙っている方は、空いてるときに逐一予約サイトを

監視することをお勧めします!!