『アンチポデス』感想メモ
『アンチポデス』適当感想メモ/たぶんネタバレ
アンチポデス
よく分からなかった(笑)
よく分からなくて、面白い!
演劇面白い!っていう感じかな〜
分からない=つまらない
では決してなくて、疑問が大量にでて面白い
なんというかこの作品に関しては
「分からない」が妥当な気がする。
「分かる」ものじゃつまらなかったと思う。
分かり合えない他者と共存する上で、
分かろうとしてしまうけど、
それは自分の価値観のなかに収めようとする
傲慢な態度な気もする。
ポジティブな意味で分からなくていい。
むしろ他人のことを分かったつもりになってる方が恐ろしいかもな〜。
だからこの作品をで感じる「分からなさ」は、まさに他者と共存していかないといけない人間同士の関係みたい〜
「分からなさ」を大切に育んでいく感じかな 笑
もちろん快適ではないけど、だからこそ進行形でずっと考える
パワーバランスとか、性差とか、
現実のうんざりする問題も詰め込まれてるけどそれはサブ的な要素に感じた。
この作品はそんなことも含めて、この現実世界を俯瞰的に遊んでるようにもみえた。
不快、面白いだけじゃなくて
おもしろみがあって
全体としては「あ、なんだ」という
コメディにも感じる。
エレノアが最後に4歳の頃に書いた
物語を読み始めた時、
アダムが反応したように
なんだかとても懐かしい気がした。
ひとつひとつは子どもらしく
起承転結もない物語だけど微笑ましいものだった。
これでいいんだよなと思った。
創作に限らず、年齢とともに色んな知識を
得るほどに逆説的に考えの幅が狭まっていく。
最後のエレノアの話だけみんなちゃんと聴いていた。その時初めて朝っぽい晴れた明かりが部屋を包んでいて肯定的な気分になった。
話の内容より、話している人より
聴いているひとたちの反応、表情がとても面白かった。
演劇は戯曲が8割とも言われるし
確かに観劇するときは言葉に集中するけど
言語外の視覚情報のほうが、現実世界も重要だったりするようなと思った。
そうなるとこの戯曲は言語外の情報を発するための言葉の羅列のようなのかもしれない。
この物語がどこに向かっているのかも、
目的もよく分かんないのに結構笑えないる部分が多いのは、それぐらい適当でも人間は楽しめるのかもしれない。